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2024/5/2

会計ソフトを導入したから安心?一瞬で経理が終わらない理由とは

「会計ソフトを入れたのに、経理業務が効率化できない」「会計ソフトを入れれば経理は一瞬で終わるのでは?」と思っている経営者の方もいるのではないでしょうか。会計ソフトは便利なシステムではありますが、すべての処理が自動的に行われるわけではありません。この記事では、会計ソフトでできることとできないこと、活用すべき機能などについて解説します。

 

経理業務のすべてを会計ソフト任せにはできない

多くの会計ソフトには、以下の機能があります。

 

・銀行口座やクレジットカードとの取引データ連携

・データをもとにした自動仕訳

・決算書や各種レポートなどの作成

 

このほか、会計ソフトを経由した振込や経費精算、見積書や請求書の作成、証憑の管理など、会計ソフトによって搭載されている機能は異なります。

 

一方で、自動仕訳が正しいかどうか確認し承認する作業や、オンラインでデータを取得できない現金や小切手、手形が絡む仕訳などは、人の手で行う必要があります。会計ソフト上で作成された決算書や各種レポートなどを有効活用するには、やはり人が確認や分析を行い、経営に活かす施策を行わなければなりません。

 

会計ソフトでできることは多く、経理業務の効率化に役立ちます。しかし、会計ソフトは万能ではなく、活用する人がいなければ有効活用できないことは理解しておきましょう。

 

 

会計ソフトを導入したらまずしておくべきこと

会計ソフトの機能の中でも、日々の経理業務を大幅に効率化できるのが取引データからの自動仕訳です。この機能を活用するには、以下のステップが必要です。

 

・銀行口座やクレジットカードとの連携

・仕訳のルール設定

・自動仕訳の確認・承認

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

銀行口座やクレジットカードとの連携

まずは取引データを取り込む銀行口座やクレジットカードを、会計ソフトと紐づける必要があります。会計ソフトの設定画面から、連携する銀行口座やクレジットカードの情報を入力します。画面の指示に従い、銀行やクレジットカードのIDやパスワードの認証を行います。

なお、銀行口座を連携する場合は、あらかじめインターネットバンキングの申し込みが必要です。

 

仕訳のルール設定

会計ソフトによっては、取引の条件を指定して仕訳のしかたを設定できるものがあります。条件には取引先や金額の範囲、勘定科目などを指定できます。条件に該当する取引があった場合にルールが適用され、自動的に仕訳が作成されるため便利です。

 

自動仕訳の確認・承認

銀行口座やクレジットカードの取引が発生すると、自動的にデータが取り込まれ、仕訳が作成されます。会計ソフトの作成した仕訳が正しいかどうかを確認し、必要に応じて承認することで仕訳は完了です。

自動仕訳は過去のデータや設定された条件からの推測であるため、誤っている場合もあります。そのため、人の手でチェックを行い修正しなければなりません。会計ソフトの中には、手動での修正から正しい仕訳の方法を学習し、以降の自動仕訳に活用するものもあります。こうした仕組みの自動仕訳は、使えば使うほど仕訳の精度が上がります。

(関連記事)会計ソフトの自動仕訳機能で経理業務を大幅に効率化できる!

 

 

会計ソフトをより便利に使うための他の機能

会計ソフトの便利な機能は、自動仕訳だけではありません。中には、以下のような機能を持つものもあります。会計ソフトを選ぶ際には、自分の欲しい機能が搭載されているかを確認するといいでしょう。以下で詳しく解説します。

レシートや領収書のデータ取り込み

現金で支払い、紙のレシートや領収書を受け取った場合は、通常は手動で仕訳を入力しなければなりません。しかし、会計ソフトの中には、レシートや領収書の写真をアップロードしたりスキャンしたりすることで、仕訳を自動で作成できるものもあります。電子帳簿保存法に対応している会計ソフトもあり、アップロードした書類を会計ソフト上に保存できれば、原本を保管しておく必要がなくなるため、ペーパーレス化にも役立つでしょう。

 

請求書や見積書などの作成

会計ソフト上で、見積書や請求書を作成できるものもあります。見積書は請求書や納品書など別のフォーマットに変換することもできるため、見積から受注になった場合に便利です。さらに、請求書を作成することで売掛金の仕訳が自動で作成されるものもあります。請求書の発行時には、売掛金が発生したという仕訳が必要ですが、現金や預金が動く訳ではないため忘れがちです。こうした場合にも自動仕訳が役立つでしょう。

会計ソフトの便利機能についてはこちらの記事も参考にしてください。

(関連記事)経理業務を効率化するクラウド会計ソフトの便利機能

 

 

まとめ

会計ソフトは経理業務を効率化してくれる便利なシステムです。しかし、会計ソフトにすべての経理業務を任せられるわけではありません。導入の際には設定が必要であり、活用していくうえでも細かい設定をしたり、自動で行われる処理の確認をしたりといった作業は必要です。会計ソフトによる効率化で生まれたリソースを、人でなくてはできない経営状況の分析や資金繰りなどの業務に充てる、という方向で考える方がいいでしょう。自社に合った方法で、ぜひ会計ソフトを有効活用してください。

経理業務の効率化を図ることができる会計ソフトの種類や選び方についてはこちらの記事も参考にしてください。

(関連記事)会計ソフトにはどんなものがある?種類と選び方について解説します