経理お役立ちブログ

2023/4/1

経理業務のアウトソーシングの料金体系や相場について解説

これから記帳代行や給与計算などの経理業務のアウトソーシング(経理代行)を考えるとき、料金をどのようにして決めればよいのか迷われる方も多いのではないでしょうか。今回は経理業務のアウトソーシング(経理代行)の料金体系やそれぞれの方式のメリット・デメリットなどについて解説します。

 

アウトソーシングの料金体系、メリットやデメリット

経理業務のアウトソーシング(経理代行)の料金体系には次のようなものがあります。

 

①定額料金

アウトソーシングの料金を毎月固定された金額とする方式です。

料金が毎月変わらないため、予算が立てやすく、想定していなかった料金が発生することもないというメリットがあります。

一方で、作業量が少ない月であっても決められた料金を支払わなければならないというデメリットもあります。

 

②作業時間に応じた料金

人が作業した時間に応じて料金が発生する方式です。

 

『作業者の単価 × 作業時間 = 料金』となります。

 

作業者の単価はランクによって決められていることが多く、より専門性が高かったり、複雑な作業を行うことができる作業者ほど単価が高くなります。

この方式は作業の専門性や複雑性とそれに要した時間で料金が発生するため、委託者側・受託者(アウトソーシング会社)側双方に納得感のある料金になるというメリットがあります。

一方で、作業者の熟練度によって料金が変わってしまうことになりますし、委託者側でもある程度は作業時間を管理しておかないと、請求された金額が妥当かどうかの検証を行うことができないというデメリットがあります。

 

③作業内容と作業量に応じた料金

業務内容毎に単価を決めておき、実際に処理した量に応じて料金が発生する方式です。

会計ソフトへの仕訳入力などで適用されることが多く、その場合は次の計算式で料金が決まります。

 

『1仕訳あたりの単価 × 仕訳数 = 料金』となります。


なお、1か月あたりの最低作業量を決めておくケースもあります。この場合は、最低料金+超過量に応じた料金となります。

 

この方式も、作業単価が妥当であれば、あとは実際の作業量に応じて料金が決まるため、委託側・受託側ともに納得感のある料金になります。また、アウトソーシング会社の作業者が不慣れで作業に時間がかかったとしても、その余分にかかった時間について請求されるということもありません。一方で、委託者側でも、作業量を管理しておかないと、正しく請求されたかどうかの検証を行うことができないというデメリットがあります。

 

これらの料金体系は毎月発生するものですが、それ以外に導入時の初期費用がかかるケースがあります。

 

 

アウトソーシングするときはどの料金体系を選べば安くなるの?

経理業務のアウトソーシング(経理代行)の料金にはいくつかの方式があることを説明しました。では、どの料金体系を選ぶのが一番よいのでしょうか?
もしかしたら、定額料金にしておいて、多くの作業をやってもらえたら、ラッキーと思われるかもしれません。

しかし、アウトソーシング会社の側では、必ず案件ごとに採算管理を行っています。案件ごとに見たときに赤字であったり、一定の利益が獲得できていなかった場合は、契約を打ち切ったり、値上げを要請することになるでしょう。

どちらかがあまりに有利になったり、不利になったりする場合、ビジネスは長続きしません。結局のところ、どのような料金体系を選んだとしても、費用面で大きな違いは出てこないものと考えられます。

 

 

アウトソーシングの料金を決めるときの注意点

注意点1:アウトソーシングする業務の内容を正確に伝える

アウトソーシングする業務の内容が正確に伝わっていないと、業務内容と料金が合わなくなります。後のトラブルの元にもなりますから、業務内容を正確に伝えた上で、契約書またはその他の文書で明確にしておくことが重要です。

 

注意点2:料金が妥当かどうかを検証する

一度料金を決めたとしても、その料金が妥当かどうかを検証できるようにしておきましょう。頻繁に値下げを要求することはできないでしょうが、契約更新のタイミングなどで、実績を見ながら料金の見直しをすることは考えられます。

 

 

経理業務アウトソーシングの料金相場

経理業務のアウトソーシング(経理代行)は、業務範囲も広く、業務によって専門性も異なるため、業務の詳細を詰めた上で料金を決めることとなります。
しかし、経理業務の中でも、記帳代行や給与計算、年末調整業務などは、業務内容がある程度決まっているため、一般的な相場があります。

 

記帳代行業務の料金相場

記帳代行業務の料金相場は次のとおりです。

 

1仕訳あたり・・・100円〜150円

 

最低料金や基本料金が決められていることもあります。
また、部門別会計や原価計算が必要となる場合はオプション料が加算となることがあります。

 

給与計算業務の料金相場

給与計算業務の料金相場は次のとおりです。

計算1名につき・・・1,000円〜1,500円

 

最低料金や基本料金が決められていることもあります。
また、勤怠集計や有給管理が必要な場合、締め日から支給日までの日数が近い場合などではオプション料が加算となることがあります。

 

年末調整業務の料金相場

年末調整業務の料金相場は次のとおりです。

計算1名につき・・・2,000円〜2,500円

 

最低料金や基本料金が決められていることもあります。
また、法定調書合計表や給与支払報告書の作成料金が別で発生することもあります。

 

 

 

まとめ

経理業務のアウトソーシング(経理代行)をするときの料金について解説しました。

コストはできるだけ安い方がよいと思われるかもしれませんが、委託者・受託者のどちらかが有利になるような料金では長続きしません。アウトソーシングしたい経理業務の詳細をもとに話し合いをして、双方が納得できる料金で契約するようにしましょう。