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2023/5/20

IT導入補助金とは?ツールを導入して業務効率化や売上アップへ

事業の効率化や売上アップにはITツールが役立ちますが、導入費用がかかるものです。費用がネックで導入を悩んでいる会社も多いのではないでしょうか。そこで、この記事ではITツールの導入に利用できる「IT導入補助金」を紹介します。補助金の概要から対象となる費用、申請を行うために必要なことを解説していますので、ぜひ読んで検討してみてください。

 

 

IT導入補助金とは?

IT補助金は中小企業や小規模事業者を対象としたITツール導入のための補助金です。目的別に3つの枠が設けられており、補助率や補助上限金額、満たすべき機能要件などが異なります。

 

通常枠(A・B類型)

通常枠の目的は、自社の課題や需要に合わせたITツールを導入し、業務効率化や売上アップを目指すことです。通常枠ではITツールの保有する機能の分野が「プロセス」として設定されており、A類型は1種類以上、B類型は4種類以上のプロセスを含むことが機能要件となっています。B類型の方が補助額は大きいですが、満たすべき機能要件も多くなっています。

 

セキュリティ対策推進枠

セキュリティ対策推進枠の目的は、サイバーインシデントやサイバー攻撃の被害によって、事業継続や生産性向上が阻害されるリスクを避けることです。導入するのはセキュリティサービスで、公表されている「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているものの中から自社に合ったものを選びます。掲載されているサービスは内容を審査されており、中小企業向けのセキュリティサービスに必要な要件を満たしたものとなっています。

 

デジタル化基盤導入枠

デジタル化基盤導入枠は、さらに3つの類型に分かれます。デジタル化基盤導入類型では、補助対象が会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトに特化しており、パソコンやタブレットなどのハードウェアも補助の対象です。

複数社連携IT導入類型では、10者以上の中小企業や小規模事業者のグループを形成しなければ申請できません。グループ内でソフトやサービスを共有し、業務の効率化やデータの連携、地域課題の解決などを行うことが想定されています。

商流一括インボイス対応類型では、インボイス制度への対応を目的として、取引の発注者が費用を負担するITツールの導入を補助するものです。

3つの類型は同じ枠内ではありますが、事業スキームなどが一部異なるためよく確認しておきましょう。

 

 

IT導入補助金を利用して業務効率化するには? 

IT導入補助金全体を通して見ると、補助対象には以下のものが含まれています。

 

・ソフトウェア購入費

・クラウド利用料

・導入関連費

・サービス利用料

・ハードウェア

 

日常的な業務効率化を行うには、使用頻度の高い会計ソフトや販売管理システム、ECシステムなどが挙げられます。これらの導入に利用できるのは通常枠(A・B類型)とデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)です。

 

特に後者は、対象となるツールが以下のソフトウェアに限定されています。

 

・会計ソフト

・受発注ソフト

・決済ソフト

・ECソフト

 

さらにソフトウェアと連携して利用するハードウェアにかかる経費も補助対象となっています。

なお、ほかの枠・累計ではハードウェアは対象外であるため注意しましょう。

 

 

交付申請を行うには?

IT導入補助金を利用したい場合は、まず交付申請を行います。しかし、ツールの選定やスケジュールの把握など、その前にすべきことも多くあります。交付申請までのハードルはありますが、一つひとつ確実に行いましょう。

 

支援事業者と導入ツールを選定する

IT導入補助金で導入するツールは、IT導入支援事業者から提供されるものでなくてはなりません。IT導入支援事業者とは、ITツールの提案や導入、補助金の申請や補助事業のサポートなどを通して申請者を支援する事業者のことです。あらかじめ補助金事務局登録申請を行い、採択されなければIT導入支援事業者になることはできません。

IT導入補助金のホームページでは、条件を指定してITツールとIT導入支援事業者を検索できます。どちらを先に決めても構いません。導入するツールだけでなく、ともに補助事業を進めるパートナーとして、信頼できるIT支援事業者を選ぶことも重要です。

 

流れを把握する

IT導入補助金のスケジュールを把握しておきましょう。交付申請の締め切り日は約1ヶ月に1度設けられています。(2023年5月現在)また、交付決定後には補助事業を進め、事業実施報告書の提出が必要です。いつ何をしなければならないかを把握してスケジュールを立てておくことで、確実に補助事業を進められるでしょう。

 

gBizIDの登録をする

IT導入補助金に関する申請や手続きは、gBizIDを用いて行うため、まずは登録が必要です。gBizIDとは、複数の行政サービスを共通して利用できるインターネット上のサービスです。例えば、補助金の申請、社会保険の手続き、飲食店の営業許可申請などが一つのアカウント上でできます。利用できる行政サービスは年々増加しているため、一度登録しておくと役立つでしょう。

 

要件を理解する

IT導入補助金にはさまざまな要件があります。先に上げたgBizIDの取得もその一つですが、基本的な要件に加えて以下のような要件も満たさなければなりません。

 

・情報セキュリティに取り組む宣言である「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」の宣言を行うこと

・労働生産性を向上させる計画を立てること

・中小企業庁のデジタル化支援ポータルサイト「みらデジ」で「みらデジ経営チェック」を交付申請前に行っていること

 

補助金を受給するには、要件を満たすことは必須です。最新の公募要領や交付規定をよく読んだうえで申請を進めましょう。

 

 

まとめ

ITツールの導入に利用できるIT導入補助金には3つの枠があり、導入するツールや目的に合った枠を選ぶことが大切です。また、IT導入支援事業者と共同で申請や補助事業を進めることが特徴的で、信頼できるパートナーを選ぶことも必要です。事前準備や要件は多くありますが、補助金を利用できれば導入費用を軽減でき、業務効率化や売上アップに向けた施策ができるようになるでしょう。ぜひIT導入補助金の申請を検討してみてください。

なお、ここで紹介した情報は投稿日時点で最新のものですが、その後変更となる可能性もあります。実際に補助金を活用する際はIT導入補助金のホームページで詳細を確認するようにしてください。