経理お役立ちブログ

2026/2/5

経理担当者が明日いなくなったら?「もしも」に備える経理の属人化リスク判定

「経理は、長年勤めているAさんに任せておけば安心」

経営者や管理部長にとって、これほど心強く、同時に危うい言葉はありません。

多くの企業において、経理業務は「ブラックボックス化」しやすい筆頭格です。しかし、その「安心」の正体が、組織としての仕組みではなく、「特定の個人の記憶と習慣」に依存しているとしたら……。

もし明日、その担当者が突然の事故や病気で出社できなくなったら? あるいは、一身上の都合で退職届を出してきたら? その瞬間、会社の入出金や給与支払いのルールを知る人間が「ゼロ」になる。そんなリスクが、今のあなたの会社には潜んでいないでしょうか。

 

1. その「安心」は、一人の肩に乗っていませんか?

経理業務は、専門性が高く、1円のミスも許されない繊細な仕事です。そして、普段から馴染みがない人は経理業務のことがよくわからない。

そのため、一度信頼できる担当者が決まると、つい「丸投げ」状態になりがちです。

しかし、一人の担当者に業務が集中し、他の誰も中身を把握していない状態、つまり「属人化」は、経営における巨大なシングルポイント故障(一箇所が壊れると全体が止まる箇所)となります。

 

  • 支払いの遅延:振込先や承認フローがわからず、仕入先への支払いが滞る。

  • 給与計算のストップ:独自の計算ルールや手当の根拠が不明になり、社員の信頼を失う。

  • 不正の温床:第三者のチェックが入らないことで、意図しないミスや不正が見逃される。

 

「うちの担当者に限って……」という過信が、有事の際に取り返しのつかないダメージを会社に与えるのです。

 

(関連記事)属人化している経理業務の問題点とその対応方法

 

 

2. 【診断】貴社の「経理属人化」リスク判定

貴社の経理業務がどれほど「特定の人」に依存しているか、以下の項目を確認してみてください。普段は見えない経理の裏側で、以下のような事態が起きていませんか?

 

■ アクセスと権限の「孤立」

まず、物理的なアクセス権の問題です。ネットバンキングの承認用カードや電子証明書を、担当者一人が管理していませんか? また、会計ソフトやe-TaxなどのID・パスワードが共有名簿化されていない場合、担当者が倒れた瞬間にあらゆる振込や納税が物理的に不可能になります。

 

■ ブラックボックス化した「計算ルール」

次に、実務の中身です。給与計算の手当の算出根拠が、担当者の頭の中にしかないのであれば非常に危険です。また「この取引先だけは特別に手数料を引く」といった例外処理が言語化されていないと、担当者が変わった途端に請求・支払ミスが多発し、長年築いた会社の信用を失うことになります。

 

■ データの「私有化」と「複雑化」

重要なExcelファイルやPDFが、共有サーバではなく担当者のPC内にのみ保存されていませんか? 退職時のデータ削除やPC故障により、過去の証憑が完全に消失するリスクがあります。また、担当者が自作した「複雑すぎるマクロや関数入りのExcel」で集計している場合、メンテナンスができる人がおらず、Excelが壊れた瞬間に全業務がストップしてしまいます。

 

■ 透明性の欠如と「整理整頓」

「今、未払金や未回収がいくらあるか」を聞かないと即答してもらえない状況は、経営判断の遅れに直結します。さらに、領収書や請求書が担当者のデスクに山積みで、どこに何があるか本人しか知らない状態は、税務調査の際にあらぬ疑いをかけられる要因にもなります。

 

■ 外部との「窓口独占」

顧問税理士や銀行担当者との連絡が、担当者個人の携帯やメールのみで行われている場合、窓口が遮断されると重要な通知や融資の相談が経営者に届かなくなります。そして最も恐ろしいのは、経理担当者の数字を誰もダブルチェックしていない状況です。これは単純なミスだけでなく、意図的な不正まで見逃され続ける土壌を作ってしまいます。

 

3. なぜ「属人化」は放置されるのか?

リスクに気づいていながら、なぜ改善が進まないのでしょうか。そこには、根深い心理的ハードルが隠れています。

 

  • 担当者の心理: 「自分のやり方を他人に口出しされたくない」「自分にしかできない仕事を持つことで、社内での不可欠な存在であり続けたい」という無意識の防衛本能。

  • 経営層の心理: 「今は何とか回っているから、下手に手を出して担当者の機嫌を損ねたくない」「教育や外注にコストをかけたくない」という先送り。

 

しかし、属人化は担当者のスキルの問題ではなく、「組織の仕組み」の欠如です。個人の善意に頼る経営は、常に爆弾を抱えているのと同じなのです。

 

4. 属人化を解消する3つのステップ

リスクを回避し、持続可能な経理体制を作るには、以下のステップが有効です。

 

① 業務の棚卸しと可視化

まずは「誰が・いつ・何をしているか」を全て書き出します。マニュアルを作る前に、ブラックボックスの中身を全てテーブルの上に出す作業が必要です。

 

② マニュアル化の「更新ルール」を作る

マニュアルは作るだけでは不十分です。「忙しくて更新できない」という言い訳を許さないよう、業務フローが変わるたびに書き換える運用ルールをセットで構築します。

 

③ 「外部の目」を取り入れる

自社だけで完結させようとすると、どうしても「なあなあ」な慣習が戻ります。アウトソーシングを活用し、プロの標準的なフローを強制的に導入することが、最も確実でスピーディーな解決策になります。

 

5. まとめ:「みんなの経理部」が経理の属人化から解放!

私たち「みんなの経理部」は、特定の個人に依存しない、「チーム体制での経理」を提供し、貴社の経営の安定を支えます。

 

  • 属人化ゼロの体制: 複数名で業務を共有・把握するため、担当者の欠勤や退職で業務が止まる不安から解放されます。

  • クラウド活用による透明化: 最新のクラウドツールを駆使し、経営者がいつでもどこでも自社の財務状況を把握できる環境を整えます。

  • 本業への集中: 経理の「管理」や「採用・教育」にかかっていたストレスをゼロにし、経営者が本来取り組むべき戦略に集中できる時間を創出します。

 

経理の属人化は、放置すればするほど根が深くなり、解消が難しくなります。「もしも」が起きる前に、まずは現状の健康診断から始めてみませんか?